美人すぎる唎酒師 野口万紀子の日本酒のいろは
第十三話 家飲みを充実させよう!日本酒の保管方法

きき酒師
野口 万紀子

◆試行錯誤した唎酒師のセラー問題

 皆さんはデパートやスーパー、旅行のお土産などで日本酒を購入した時、どのように保管していますか??
わたしは以前、お家の冷蔵庫の一番下の野菜室を使っていて、お野菜が入る隙間もないほどにお酒で占領していた時期がありました(笑)
野菜室を引き出すたびにずらりと並ぶ日本酒を見ては、何ともいえない満足感を味わっていたのですが、流石に日常生活に支障が出てきてしまいました。

 今回は、SNSでもご質問を多く頂いていた私の日本酒セラーについてお話したいと思います。日本酒好きだけど正しい保管方法がイマイチ分からない方や、ホームセラーを購入しようと考えている方など、是非参考にしてもいただけると嬉しいです。

 普段からお仕事柄、出張時に立ち寄る地酒屋さんで購入したり、クライアント様やお友達からの頂き物、イベントなど催事の際には何十本も保管することも多く、この頃から家の近くにセラー倉庫を借りるようになりました。

 元々はワインセラーのため、室温はマイナス0度以下にはならないのですが、火入れをしてあるものはこちらで一時的に保管。生酒や火入れをしていないものなど特に温度管理に注意が必要な物だけ自宅の冷蔵庫に移動させて、あとは全てこのレンタルセラーへ。自宅から車ですぐのところだったので、搬入も簡単でそれほど不便は感じませんでした。

 レンタルセラーのメリットは何よりその収納力だと思います。わたしは主な用途がイベントの時を想定していたので、四合瓶で200本分のセラーを借りていました。200本と聞くとものすごい量!と思うかもしれませんが、実際に見てみると案外こんな小さなスペースで200本なんだ、と感じるくらいなんですよ!ぎゅうぎゅうにつめているので案外コンパクトです。

 そしてもう一点は24時間365日出し入れが可能だということです。倉庫内には暗証番号とカードキーを使っていつでも入ることができるので、帰りが遅くなった日や休日でも車でサッと立ち寄って日本酒をピックする事ができます。

 しかし、イマイチな点を挙げるとすると、お酒を目にする機会が少なくなるので、自分が持っている日本酒を視覚的に把握しにくいという点がありました。200本もあると小さな業者さんのような気持ちになって、セラーに行くたびに日本酒の在庫チェックをしては、Evernote(エバーノート)で銘柄と本数を管理するという地味な作業をしていたのですが、目につくところにないだけにわざわざセラーまで取りに行くのが面倒になってしまったりして、結果、お酒の回転が悪くなってしまったのです。

◆ホームセラーを購入したらおうち居酒屋が可能に!

 そこで、ついに以前から気になっていたホームセラーを購入したのです!私が購入したホームセラーは四合瓶で51本保管できるサイズのもので、これ以外にも22本、78本、155本と、様々なサイズが揃っていました。こちらも想定していたよりもコンパクトだったのでお部屋の邪魔にはならないけれど、ついつい日本酒を買いすぎてしまう私にとっては、正直もう少し大きくても良かったかもしれないと感じました(笑)

 実際に使ってみて感じた正直な感想は ”日本酒がより近い存在になった!” という事です。レンタルセラーよりも目の届く場所に日本酒がある事で、実際に手に取る回数が格段に増えたのを実感しました。これまでは、夜ご飯を作っている時に「あ!このお魚にあの日本酒を合わせたらいいかも」とか「今日は美味しいチーズを買ってきたからあれを合わせたいな」と思っても、わざわざセラーまで取りに行くのが面倒になってしまって、せっかく日本酒の出番なのに機会を逃してしまう事が多かったのです。

 しかし、ホームセラーを買ってからはご飯を食べ始めた段階で「あれが飲みたい!」と思った日本酒をすぐに取り出す事ができ、お友達へのお土産を用意しようと思った日も、朝冷蔵庫からすぐに取り出してそのまま出かける事ができたりと、いい事しかありませんでした。

 何より、自分が持っている日本酒を忘れて放置してしまうという悲しい結末を迎えることはなくなって、気軽な気持ちで日本酒に触れる時間が増えたのが唎酒師としては嬉しい限りです。

◆意外と知らない?日本酒の保管方法3つのポイント

 先程、ワインと日本酒の保管温度について軽く触れましたが、日本酒の正しい保管方法には3つのポイントがあります。

①温度を適切に保つ

 日本酒の保管に適した温度は5~10度と言われています。温度の高いところで保管すると変色したり老香(ひねか)と呼ばれる劣化香のもとになってしまいます。生酒は5度以下、中には-5度で保管するのが良いとされているものもあります。ワイン兼用ではなく日本酒専用のセラーは、0度以下まで冷やすことができるようになっているものが多くあります。

②紫外線から守る

 日本酒は紫外線に弱い飲み物です。紫外線を受けると変色したり、日光臭という不快な臭いを発する事があります。太陽光だけでなく、蛍光灯や殺菌灯なども紫外線を発しているので、使用する場合はLEDか白熱灯などを使って最低限にしましょう。もしも紫外線カットではない冷蔵庫を使う場合は新聞紙などに包んで保管するとよいです。

③開封後の酸化に注意

 日本酒を開封してそのままにしていると、酸化して味が変化したり、香りが飛んでしまったりするリスクが高まってしまいます。できるだけ早く飲み切ってしまうか、別の小瓶に移し替える、専用の器具で瓶内の空気を抜くなどして品質を保ちましょう。生酒に関しては開封後の変化が激しいので注意が必要。 管理不足による劣化ではなく、味をまろやかにする目的でわざと少し酸化させる場合もあるので、開封後は自分で味の変化を試してみてください。

 ワインや焼酎の保管温度は12~16度であるのに比べて、日本酒は5~10度と低めの温度なのが特徴。冷蔵庫から出してすぐの状態だと、飲むのには冷たすぎるものもあるので、お食事のタイミングに合わせて、事前に冷蔵庫から取り出しておきましょう。

 もうひとつワインと異なる点は、コルク栓ではなくスクリューキャップである日本酒に湿度は不要で、横に寝かせて保管する必要がありません。逆に湿度が高すぎるとキャップが錆びたりカビが生えたりする原因となってしまうのでリスクが高まります。

 また、日本酒のボトルにはいろいろな色がありますが、最も紫外線を通しにくいのは黒色。次に、茶色、緑色となります。紙パックは最も光を遮断する力が強いです。

 お家セラーを購入してから日本酒の保管方法についても意識がより高まって、出来るだけ綺麗な状態で保管しておきたいので、ラベル部分にラップを巻くようにしています。こうすると、取り出した時に剥げたり剥がれたりせずに見た目も美しくキープする事ができます!

◆最後に

 このように、日本酒の保管方法は少しセンシティブな一面があるようにも見えますが、お家にセラーがなくても新聞紙に包んで冷蔵庫に保管しておけば問題はありません。あまり難しく捉えすぎずに、少し寝かせすぎてしまった日本酒があっても、基本、冷蔵庫に入っていればあまり心配はなく、逆に美味しく変化していることもあります。

 日本酒の古酒に定義はありませんが、一般的には酒蔵で3年以上熟成させたものを指す事が多いです。自分のお家でも上手に日本酒の管理方法を身につければ、味わいの変化を” エイジング ”として楽しむ事ができます。

 是非、コツを押さえて、楽しく日本酒をライフスタイルに取り込んでみてくださいね!

素敵な日本酒ライフを♡
文:野口 万紀子

プロフィール

野口 万紀子
株式会社 5 TOKYO 代表取締役
きき酒師 / クリエイティブディレクター

東京都目黒区生まれ。女子美術短期大学卒業後、モデル、スカウトにより芸能活動を始め、8年ほどレースクィーン・モデル業を務める。外資系仏ラグジュアリーブランド、融資コンサル会社等での経験を経てた後、ライター業へ転身。日本のおもてなしについて興味を持つようになり、パーティーコーディネートのトータルプロデュースについて学び、きき酒師の資格を取得。2017年、株式会社 5 TOKYOを設立。現在では『日本酒 × ファッション・アート・伝統文化」といった、日本文化の新しい楽しみ方をプロデュースしている。日本酒イベントの企画運営や飲食店における日本酒コーディネート、セミナーや講演会への出演、執筆などを中心に活動中。最近ではTV、ラジオ、雑誌など様々なメディアにも多く出演している。

<取得資格>
SSI認定 きき酒師 (認定番号 No.042210)
SSI認定 日本酒ナビゲーター (認定番号 No.9338)
WSET LEVEL1 AWARD IN SAKE (認定番号 No.201039812417)
日本野菜ソムリエ協会認定 パーティースタイリスト
公益社団法人 神奈川県食品衛生協会認定 食品衛生責任者

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ライター紹介

⽇本酒アイドル
三佳(Mika)

群馬県出身、歌手
日本酒ナビゲーターアイドル RICE-HEART(ライスハート)の初期メンバー「大盃三佳」として活動し、2018年12月16日に卒業。 Piano&Vocalユニット「Sunray in Rain」のボーカルとして活動中。

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きき酒師
野⼝ 万紀⼦

株式会社 5 TOKYO 代表取締役
きき酒師、クリエイティブディレクター。『日本酒 × ファッション・アート・伝統文化」といった、日本文化の新しい楽しみ方をプロデュースしている。

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ミツワネットショップ
店長荒井

ミツワネットショップ店長
有限会社ミツワ酒販 代表取締役
創業以来四十余年、食の安全、美食へのこだわりをモットーに、関東中心に約700軒の小売店様への酒類、食品類の卸業を行っている。