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美人すぎる唎酒師 野口万紀子の日本酒のいろは
第一話「日本酒はこわくない!」を伝えたい

きき酒師
野口 万紀子

プロフィール

野口 万紀子
株式会社 5 TOKYO 代表取締役
きき酒師 / クリエイティブディレクター

東京都目黒区生まれ。女子美術短期大学卒業後、モデル、スカウトにより芸能活動を始め、8年ほどレースクィーン・モデル業を務める。外資系仏ラグジュアリーブランド、融資コンサル会社等での経験を経てた後、ライター業へ転身。日本のおもてなしについて興味を持つようになり、パーティーコーディネートのトータルプロデュースについて学び、きき酒師の資格を取得。2017年、株式会社 5 TOKYOを設立。現在では『日本酒 × ファッション・アート・伝統文化」といった、日本文化の新しい楽しみ方をプロデュースしている。日本酒イベントの企画運営や飲食店における日本酒コーディネート、セミナーや講演会への出演、執筆などを中心に活動中。最近ではTV、ラジオ、雑誌など様々なメディアにも多く出演している。

<取得資格>
SSI認定 きき酒師 (認定番号 No.042210)
SSI認定 日本酒ナビゲーター (認定番号 No.9338)
WSET LEVEL1 AWARD IN SAKE (認定番号 No.201039812417)
日本野菜ソムリエ協会認定 パーティースタイリスト
公益社団法人 神奈川県食品衛生協会認定 食品衛生責任者

日本酒のイメージが悪くなった本当の理由

 みなさんは「日本酒」という言葉を聞いて、どんなイメージを連想しますか?
東京オリンピックを目前にTVや雑誌などでも日本文化について取り上げられ、女性向けの商品や若者向けのオシャレな日本酒BARなども登場し、日本だけでなく日本酒についての注目度が上がってきました。
 その一方で、日本酒はお正月くらいしかの飲まないという方や、悪酔いするようなイメージ、何となくダサいイメージなど、日本酒に対してあまりポジティブではない印象を持っているという声も。国酒である日本酒は日本の誇るべき文化のひとつであると言えますが、若い世代も含め全体としては未だに日本酒は、「なんとなくこわいお酒」と思っておられる方が多いのではないでしょうか。 なぜでしょう???

 様々な考え方があると思いますが、今まで色々な方にお会いしてきた中で感じた大きな原因は大きく二つ。

・難しい専門用語が多く記載されていて分かりづらい
・美味しい日本酒といい飲み方に出会っていない

 他のお酒に比べて、「濾過生原酒」とか「純米大吟醸」など漢字がズラッと並んだラベル表記で、ワインのようにブドウの産地によって味の傾向が決まってくるというような仕分け方でもないので、非常に分かりづらい印象があるかもしれません。また、初めて飲んだ日本酒にあまりいい思い出がないという人も多いようです。あまり品質の良くない日本酒をお燗にしてカーッと飲み干してしまったり、上手な飲み方が分からずに悪酔いしてしまったという話もよく聞きます。つまりこれは、いいお酒、またはいいお店に出会っていない為、日本酒に対するある種のトラウマが出来てしまったことが原因ですね。

 これらは全て「知らないこと」が原因です。お店に行っても「詳しくないから・・」と、なんとなく注文しづらいと感じてしまったり、いいお酒やいい飲み方を教えてもらえるシーンに出会っていないことで、「こわいお酒!」というようなイメージにつながってしまうのかもしれません。

 日本酒にしての悪いイメージは、戦後の日本の深刻化した米不足による背景も大きく影響していると言われています。醸造アルコールを使ってお酒を3倍に薄める三倍醸造酒の製造が認められ、米と米麹で造ったもろみに、水で薄めた醸造アルコールを加えて味が薄まった分だけ、ブドウ糖や水飴、酸味料、グルタミン酸ソーダなどを添加して量を増やし、これにアルコール添加した清酒をブレンドしたりしていました。

 物資の少ない戦後を潤した日本酒の一つといえますが、これによって粗悪な悪いイメージを持ってしまっている人も多いのです。ワインで言う酸化防止剤が悪酔いするといった類いの、間違った思い込みと同じですね。

 現在では日本酒のクオリティやジャンルは大きく変化し、アルコール添加は決して「悪」ではなく、むしろ味を細かく整えてくれる素晴らしい役割を持っているのです!(これについては第二話で詳しくご紹介しますね)

日本酒は「読みモノ」ではなく「飲みモノ」

 例えば、仲のいい先輩が連れて行ってくれた大人な雰囲気のお店で、店員さんが出してくれたワインが、程よくフルーティーで美味しかった、としましょう。また別のお店でメニューを見ると、この前のワインがあります。「この前先輩と飲んだワインだ。美味しかったからまた注文してみようかな」というところから、「これって、一体何ていうブドウの品種なんだろう?」など興味が湧いてきたりしませんか?

 人間の記憶にいちばん残りやすいのは、「自分がどう感じたか」の部分に紐付けることです。例え最初にソムリエが、どこの地方のなんていうブドウの品種で、一緒に出してきてくれた他の種類のワインの違いを丁寧に説明してくれていたとしても、正直あまり記憶には残らないと思います。日本酒も同じです。

キッカケは「飲む」ことだけじゃなくてもいい

 現在、株式会社 5TOKYOでは「人間の5感を使って日本の伝統とトレンドを繋ぐ」をテーマに、イベントや様々な企画プロデュース、PR事業を手掛けています。日本酒イベントの多くは、きき酒を中心にしたものをよく見かけると思うのですが、私自身は酒蔵ブースがズラッと並んだ会場でひたすら日本酒を飲み続けるイベントは、相当な日本酒好きでない限り初心者にはハードルが高いのではないかな?と毎回感じていました。終わってからどんなお酒を飲んだのか銘柄も覚えていない、といった状況に陥りやすいからです。

 もっと日本酒についてあまり知らない人や苦手意識を持った人にも楽しんでもらえて、更に一つでも記憶に残る一本を見つけてもらえるようなイベントはどんなものだろう、とずっと考えていました。日本酒を知らない人にも日本酒を知ってもらうために最初に必要なことは「興味」です。「興味」を持っていない人にどれだけ「情報」を発信し続けてもお気に入りの一本を見つけるには至らないと思うのです。

 私がプロデュースするイベントで非常に意識していることは、酒蔵ブースの数を多くしないことと、 「飲む」だけではない「文化」を体験できる演出を盛り込むことです。日本酒を飲む機会があっても、実際に蔵元さんとお話が出来る機会はそう多くはないと思います。造り手の方と実際にお話をしてみるとビックリするほど、お酒の見え方は変わってきます。しかし、イベント会場で酒蔵ブースの数が多すぎると、初心者の方は非常に混乱してしまうのも事実。3蔵程度の中で飲み比べをしてもらうことで、蔵元さんの個性やお話が記憶に残りやすくなり、各蔵の中でそれぞれお気に入りの一本を見つけてもらうことがしやすくなると思います。

 また、日本酒を知ってもらうキッカケは「飲む」だけでなくてもいいと思っています。アート・ファッション・音楽・日本の匠技などと並ぶ「文化」の一つとして興味を持って頂ける位置に日本酒を置くことで、「日本文化って意外と悪くないな」「お酒は苦手だけどこれなら飲めるな」など、きっかけになってもらえればいいなと思っているので、ライブパフォーマンスや空間演出にも力を入れています。文化的な世界観の中から、日本酒の魅力を感じ取って頂けるのではないかと考えているからです。

感じることから知識を深めよう

 様々なメディアがあらゆるシーンでお酒についての発信をしている中で、「マリアージュ」や「ペアリング」など、お酒を楽しむのにはルールが必要なのかな、と難しく感じるかもしれません。

答えをお教えします!
味に正解はありません!!

 更に言うとどれだけ情報として味の勉強をしても、自分が感じなければ絶対に味は自分のものにはなりません。同じものを飲んでも、食べても、感じるのは人それぞれ。甘いと思う人もいれば、酸っぱいと思う人も、辛いと思う人もいて、全てが間違いではないのです。

 お酒の楽しみ方は「正解を当てていくこと」ではなく、「自分がどう感じることができるのか」それに尽きます。自分なりのエピソードを持つことで、そのお酒との関係が深まっていくのです。そしてそれは、人や空間との出会いにも大きく関わってくると言えると思います。

 次回からは私が今まで体験してきたことを元に、日本酒を楽しむための簡単な方法をご紹介していこうと思います。今よりも少しだけ日本酒が身近なモノに感じることが出来ると、お店に行ったりお酒の説明を聞くことも楽しくなってきたり、必ず面白い変化が訪れますよ!是非参考にしていただければ幸いです。

 どうか日本酒がみなさんのライフスタイルの一部となりますように♡

文:野口 万紀子

<第二話> ツウっぽく見える!日本酒の上手な飲み方

・日本酒のチェイサー「和らぎ水」の意外な効果

・「辛口ください」をやめよう!上手に注文するコツ

・間違った常識? 純米が「正」アル添は「悪」

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ライター紹介

⽇本酒アイドル
三佳(Mika)

群馬県出身、歌手
日本酒ナビゲーターアイドル RICE-HEART(ライスハート)の初期メンバー「大盃三佳」として活動し、2018年12月16日に卒業。 Piano&Vocalユニット「Sunray in Rain」のボーカルとして活動中。

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きき酒師
野⼝ 万紀⼦

株式会社 5 TOKYO 代表取締役
きき酒師、クリエイティブディレクター。『日本酒 × ファッション・アート・伝統文化」といった、日本文化の新しい楽しみ方をプロデュースしている。

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ミツワネットショップ
店長荒井

ミツワネットショップ店長
有限会社ミツワ酒販 代表取締役
創業以来四十余年、食の安全、美食へのこだわりをモットーに、関東中心に約700軒の小売店様への酒類、食品類の卸業を行っている。

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未成年者への飲酒は法律で禁止されています。お酒は20歳になってから。